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大学Chapter 2614

ラグランジュ方程式

ニュートン力学を超えた"エレガントな"力学。座標系を選ばず、拘束条件も自動で処理できる解析力学の基礎。

#解析力学#ラグランジアン#変分原理#最小作用の原理#一般化座標

「座標を選ばない力学」の革命

ニュートン力学は F = ma がすべて。

しかし「振り子の運動方程式を書け」となると、糸の張力・法線力など拘束力が邪魔になる。

ラグランジュが示したのは、そんな拘束力を一切書かなくていい定式化だった。

📜ラグランジュ(1788年)

ジョゼフ=ルイ・ラグランジュが『解析力学』を出版。「本書には図を一枚も使わない」と宣言した通り、純粋に代数と微積分だけで力学を再構成した歴史的名著。

ラグランジアン L とは

ラグランジアンの定義

L=TVL = T - V

  • TT:運動エネルギー
  • VV:ポテンシャルエネルギー

「エネルギーの差」を取るのが直感に反するが、これが変分原理と結びつく。

最小作用の原理

粒子が点Aから点Bに移動するとき、作用 S=LdtS = \int L \, dt を最小にする経路を選ぶ。

これが自然界の根本原理。

ラグランジュ方程式(オイラー・ラグランジュ方程式)

ddt(Lq˙i)Lqi=0\frac{d}{dt}\left(\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i}\right) - \frac{\partial L}{\partial q_i} = 0

qiq_i:一般化座標(角度でも距離でも何でも可)

単振り子で確かめる

質量 mm、長さ \ell の振り子。角度 θ\theta を一般化座標に選ぶ。

T=12m2θ˙2,V=mgcosθT = \frac{1}{2}m\ell^2 \dot{\theta}^2, \quad V = -mg\ell\cos\theta

L=12m2θ˙2+mgcosθL = \frac{1}{2}m\ell^2 \dot{\theta}^2 + mg\ell\cos\theta

ラグランジュ方程式に代入:

m2θ¨+mgsinθ=0    θ¨=gsinθm\ell^2 \ddot{\theta} + mg\ell\sin\theta = 0 \implies \ddot{\theta} = -\frac{g}{\ell}\sin\theta

張力を一切書かずに運動方程式が得られた。

📝二重振り子

ニュートン力学で二重振り子を解くと、拘束力が複雑で非常に面倒。ラグランジュ力学なら角度 θ1,θ2\theta_1, \theta_2 を一般化座標に選ぶだけで系統的に解ける。

一般化運動量と保存則

一般化運動量

pi=Lq˙ip_i = \frac{\partial L}{\partial \dot{q}_i}

LLqiq_i に依存しないとき(循環座標)、pip_i は保存量となる。

これがネーターの定理の原型:対称性 → 保存則

🌍量子力学・場の理論への橋渡し

ラグランジュ形式は量子力学・相対論・素粒子物理学すべての基盤。経路積分(ファインマン)もこの「作用」から出発する。解析力学を学ばずに現代物理は理解できない。

まとめ

  • L=TVL = T - V(ラグランジアン)
  • 最小作用の原理 → オイラー・ラグランジュ方程式
  • 系に合った座標を選べる・拘束力不要
  • 対称性と保存則を自然に結びつける

// quiz

確認問題

Q1.ラグランジアン L の定義式はどれか?

Q2.ラグランジュ方程式で「一般化座標」を使う利点は何か?

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