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高校基礎Chapter 1316

波の基本性質

波はエネルギーが伝わる現象で、物質は動かない。縦波・横波から干渉まで、波動現象の全体像をつかむ。

##縦波#横波#波長#振動数#波速

波を見たことがある、でも「波とは何か」は難しい

海の波を見て「あ、波が来た」と言うとき、何が来たのか。水が海岸まで移動してきたのだろうか?

違う。水は上下に動いているだけで、岸に向かって移動していない。

サーファーを想像してほしい。波が来ると、サーファーは上がったり下がったりする。でも、波がなければサーファーはほぼ同じ場所に浮かんでいる。水が来るのではなく、「揺れの状態」が伝わってくるのだ。

これが波の本質:物質は移動せず、エネルギーだけが伝わる現象

💡地震でわかる「波の種類」

地震では2種類の波が地面を伝わる。

P波(Primary wave):縦波。固体・液体・気体を伝わる。速い(約6 km/s)。「ドン」という縦揺れ。

S波(Secondary wave):横波。固体だけを伝わる。遅い(約3.5 km/s)。「グラグラ」という横揺れ。

緊急地震速報はこのP波とS波の到達時間差を利用している。P波を検知してから、破壊的なS波が到達するまでの数秒〜数十秒を警告時間として使うのだ。


縦波と横波の違い

種類振動方向伝わる媒質
横波進行方向と垂直固体(電磁波は媒質不要)光・電磁波・地震S波
縦波(疎密波)進行方向と平行固体・液体・気体音波・地震P波

音は縦波なので真空中を伝わらない。
光は電磁波(横波)なので真空でも伝わる。映画『エイリアン』のキャッチコピー「宇宙では悲鳴は聞こえない」は物理的に正確だ。


波の3つの基本量

T=1f,v=fλT = \frac{1}{f}, \qquad v = f\lambda

記号単位意味
波長λm1回の振動が作る波の長さ
振動数fHz1秒間の振動回数
周期Ts1回振動するのにかかる時間
波速vm/s波の進む速さ

v = fλ の直感的な理解:

1秒間にf回振動して、1回の振動でλmの波が作られる。だから1秒間でfλm進む = 波速 v。

📝波の基本量の計算

問1 振動数 440 Hz(ラの音)の音波。音速 340 m/s として波長は?

λ=vf=3404400.77m\lambda = \frac{v}{f} = \frac{340}{440} \approx \boxed{0.77 \, \text{m}}

問2 波長 600 nm(nm = 10⁻⁹ m)の赤い光。光速 3.0 × 10⁸ m/s として振動数は?

f=vλ=3.0×1086.0×107=5.0×1014Hzf = \frac{v}{\lambda} = \frac{3.0 \times 10^8}{6.0 \times 10^{-7}} = \boxed{5.0 \times 10^{14} \, \text{Hz}}


重ね合わせの原理

2つの波が同じ場所を通るとき、変位を足し算するだけ

山と山が重なる → 振幅が2倍(強め合い・干渉
山と谷が重なる → 振幅がゼロ(弱め合い・打ち消し

これが重ね合わせの原理。波の最も重要な性質の1つだ。

波が重なっても、通り過ぎた後はそれぞれ元の形に戻る(独立性)。


定常波(定在波)

同じ振幅・波長の2つの波が逆向きに進むと、動かない波が生まれる。

節(node):常に動かない点
腹(antinode):最も大きく振動する点

隣り合う節と節の間隔 = λ/2

弦楽器の「美しい音」は定常波によるものだ。ギターの弦を弾くと、特定の波長だけが定常波として残り、他は打ち消される。その波長が楽器の音程を決める。

🌍ノイズキャンセリングイヤホンの仕組み

ノイズキャンセリングイヤホンは「音波の打ち消し」を利用している。

外からのノイズを内蔵マイクで拾い、その波形と正確に逆位相の音波を即座に生成してスピーカーから出す。元の音波と逆位相の音波が重なると、干渉によって打ち消され、耳にはほぼ無音に聞こえる。

「音を音で消す」という逆転の発想だ。


重要ポイント

波の基本まとめ

  • 波 = エネルギーの伝搬(物質は移動しない)
  • 横波(光)vs 縦波(音):振動方向の違い
  • 基本式:v = fλT = 1/f
  • 重ね合わせ:変位を足し算するだけ
  • 定常波:逆向きの同じ波が重なると発生

v = fλ は「波長が長いほど振動数が低い(= 低い音・赤い光)」という関係も示している。

// quiz

確認問題

Q1.波速 v、振動数 f、波長 λ の関係は?

Q2.音波はどんな波か?

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音波とドップラー効果

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