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大学Chapter 4114

場の量子論入門

素粒子物理の言語。粒子を「場の励起」として捉え直すと光子・電子・ヒッグス粒子が統一的に記述できる。

#場の量子論#量子電磁力学#ファインマンダイアグラム#経路積分#繰り込み#標準模型

「粒子」を捨てて「場」で考える

量子力学は粒子の波動関数を量子化する。しかし相対論と矛盾が生じる(粒子の生成・消滅が記述できない)。

場の量子論の革命:場そのものを量子化する。電子も光子も「場の励起」に過ぎない。

📜ディラック・ファインマン・朝永(1940-60年代)

ポール・ディラックが相対論的電子の方程式(1928年)とアンチ粒子を予言。ファインマン・シュウィンガー・朝永振一郎がQEDを完成(1965年ノーベル賞)。湯川秀樹は中間子交換で核力を予言(1949年ノーベル賞)。

場の量子化

スカラー場 ϕ(x)\phi(x) を例に:

クライン・ゴルドン方程式(相対論的波動方程式)

(μμ+m2)ϕ=0(\partial_\mu \partial^\mu + m^2)\phi = 0

解を生成・消滅演算子で展開:

ϕ(x)=d3k(2π)32ωk[akeikx+akeikx]\phi(x) = \int \frac{d^3k}{(2\pi)^3 2\omega_k}\left[a_k e^{-ikx} + a_k^\dagger e^{ikx}\right]

aka_k^\dagger:運動量kの粒子を「生成」する演算子

ファインマンダイアグラム

相互作用を摂動論で計算するとき、各次数をファインマンダイアグラムで視覚化する。

QEDの頂点とファインマンルール

頂点(電子-光子の相互作用)は結合定数 ee(素電荷)に対応。

ダイアグラムの次数 = 頂点の数 → 細かいほど高精度の補正

内部線(仮想粒子):質量殻に乗らない「オフシェル」粒子の伝播。

繰り込み

ループダイアグラムを計算すると紫外発散(無限大)が現れる。

繰り込みの考え方

「裸の電荷・質量」に紫外発散を吸収させ、観測量(測定される電荷・質量)を有限値に定義し直す。

QEDは繰り込み可能:有限個のパラメータ再定義で全ての紫外発散を吸収できる。

QEDの成功:異常磁気モーメント

電子の磁気モーメントの補正:

ge=2.00231930436256(理論値:12桁まで一致)g_e = 2.00231930436256\ldots \quad (\text{理論値:12桁まで一致})

「人類が達成した最高精度の理論的予言」と呼ばれる。

標準模型

素粒子の標準模型

QED(電磁力) + QCD(強い力) + QFD(弱い力) を統合。

ヒッグス機構でゲージ対称性を自発的に破り、W/Zボソンに質量を与える。

2012年LHCでヒッグス粒子(質量125 GeV)を発見。

🌍加速器・量子コンピュータ

LHC(CERNの大型ハドロン衝突型加速器)での実験はすべてQFTで解析。量子コンピュータの誤り訂正理論もQFTのアナロジーを使う。

// quiz

確認問題

Q1.場の量子論で電子と光子の相互作用を記述する理論は何か?

Q2.ファインマンダイアグラムの物理的意味は何か?