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大学Chapter 3215

化学熱力学

反応は自発的に進むか?ギブズエネルギーとエントロピーが答えを出す。高校化学熱化学の先にある、反応の方向性の科学。

#化学熱力学#ギブズエネルギー#エントロピー#化学ポテンシャル#平衡定数#ヘルムホルツ

「なぜ反応は進むのか」を熱力学で答える

高校化学では「発熱反応は進みやすい(ΔH < 0)」と習う。

しかし吸熱なのに自発的に進む反応もある。砂糖が水に溶けるのは吸熱反応だが自然に進む。

その答えがギブズエネルギーとエントロピーにある。

📜ギブズ(1876年)

ジョサイア・ウィラード・ギブズがヘルムホルツ・ギブズエネルギーの概念を確立。「化学熱力学の父」と呼ばれ、平衡・相転移・反応方向性を統一的に記述した。

熱力学の4法則(概観)

法則内容
第0法則熱平衡の推移律(温度の定義)
第1法則エネルギー保存(ΔU = Q - W)
第2法則エントロピーは増大する(ΔS ≥ 0)
第3法則絶対零度でS = 0

エントロピー S

エントロピーの定義

dS=δQrevTdS = \frac{\delta Q_{rev}}{T}

可逆過程で系に加えた熱 δQrev\delta Q_{rev} を温度 TT で割った量。

統計力学的定義:S=kBlnWS = k_B \ln W(場合の数の対数)

📝エントロピー変化の例
  • 氷の融解:固体→液体で分子配置が増える → ΔS>0\Delta S > 0
  • 気体の膨張:体積増加で取れる位置が増える → ΔS>0\Delta S > 0
  • 結晶化:液体→固体で秩序化 → ΔS<0\Delta S < 0(系のみ)

ギブズエネルギー G

ギブズエネルギー

G=HTSG = H - TS

ΔG=ΔHTΔS\Delta G = \Delta H - T\Delta S

定温定圧での自発性の判定基準

  • ΔG<0\Delta G < 0:自発的
  • ΔG=0\Delta G = 0:平衡
  • ΔG>0\Delta G > 0:非自発(逆反応が自発)
ΔHとΔSの競合
ΔHΔS自発性
+常に自発
+常に非自発
低温で自発(−TΔSが小さい)
++高温で自発(TΔSが大きい)

標準ギブズエネルギーと平衡定数

ΔG°と平衡定数Kの関係

ΔG=RTlnK\Delta G^\circ = -RT\ln K

ΔG=ΔG+RTlnQ\Delta G = \Delta G^\circ + RT \ln Q

QQ:反応商、KK:平衡定数、RR:気体定数、TT:絶対温度

  • K>1K > 1ΔG<0\Delta G^\circ < 0(生成物側に平衡)
  • K<1K < 1ΔG>0\Delta G^\circ > 0(反応物側に平衡)

化学ポテンシャル

化学ポテンシャル μ

成分 ii の化学ポテンシャル:

μi=(Gni)T,P,nj\mu_i = \left(\frac{\partial G}{\partial n_i}\right)_{T,P,n_j}

物質1 molあたりのギブズエネルギー。粒子はμが高い方から低い方へ移動する(浸透圧・相転移の原動力)。

🌍工業・生化学への応用

アンモニア合成(ハーバー法)の条件設定、燃料電池の最大仕事、タンパク質の折りたたみ——すべてΔGの最小化原理で理解できる。

// quiz

確認問題

Q1.反応が自発的に進む条件はどれか(定温定圧)?

Q2.平衡状態における ΔG の値はいくらか?

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群論と分子の対称性

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