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大学Chapter 3613

配位子場理論

遷移金属錯体の色と磁性を説明する。結晶場理論を拡張した配位子場理論でd軌道の分裂を理解する。

#配位子場理論#結晶場分裂#d軌道#錯体#スペクトロ化学系列#強磁場#弱磁場

遷移金属の「色」の謎を解く

なぜ銅アンモニア錯体は青く、クロムの錯体は緑なのか?

答えは配位子場によるd軌道の分裂にある。

📜ベーテとファン・フレック(1930年代)

ハンス・ベーテが結晶場理論を確立(1929年)。後にジョン・ファン・フレックが共有結合性を取り込んだ配位子場理論に発展。錯体化学の理論的基盤。

結晶場分裂(正八面体場)

5つの縮退したd軌道が配位子の静電場で分裂する。

正八面体場でのd軌道分裂

eg(高エネルギー):dx²-y²、dz²

→配位子方向を向くため強い反発

t2g(低エネルギー):dxy、dyz、dxz

→配位子の間を向くため弱い反発

分裂エネルギー:Δo\Delta_o(= 10Dq)

スペクトロ化学系列

配位子の種類によって Δo\Delta_o の大きさが変わる:

I<Br<Cl<F<OH<H2O<NH3<en<NO2<CNCOI^- < Br^- < Cl^- < F^- < OH^- < H_2O < NH_3 < en < NO_2^- < CN^- \approx CO

強磁場・弱磁場配位子

強場配位子(CN⁻, COなど):Δo\Delta_o が大きい → 低スピン錯体

弱場配位子(I⁻, Br⁻など):Δo\Delta_o が小さい → 高スピン錯体

d⁴〜d⁷では強場・弱場で電子配置(磁性)が変わる。

結晶場安定化エネルギー(CFSE)

d電子が分裂した軌道に入ることで安定化する:

CFSE=0.4n(t2g)Δo+0.6n(eg)ΔoCFSE = -0.4n(t_{2g}) \cdot \Delta_o + 0.6n(e_g) \cdot \Delta_o

📝d⁶低スピン錯体のCFSE

t2g6eg0t_{2g}^6 e_g^0CFSE=0.4×6×Δo=2.4ΔoCFSE = -0.4 \times 6 \times \Delta_o = -2.4\Delta_o

最大CFSEを持つ → 特に安定([Fe(CN)₆]⁴⁻)

錯体の色:電子遷移

Δo\Delta_o に相当するエネルギーの光を吸収してt2g → eg遷移が起こる。

吸収色の補色が見える色。Δo\Delta_o の大きさ(配位子・金属の種類)で色が変わる。

🌍ヘモグロビンと酸素輸送

血液の赤色はヘムの鉄(Fe²⁺)のd-d遷移による。O₂結合でΔoが変化し、静脈血(暗赤)と動脈血(鮮赤)の色の違いが生まれる。

// quiz

確認問題

Q1.正八面体錯体でd軌道が分裂する2つの対称種はどれか?

Q2.スペクトロ化学系列で配位子場分裂Δoが大きい(強場)配位子はどれか?

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分子間力と超分子化学

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