大学Chapter 36約13分
配位子場理論
遷移金属錯体の色と磁性を説明する。結晶場理論を拡張した配位子場理論でd軌道の分裂を理解する。
#配位子場理論#結晶場分裂#d軌道#錯体#スペクトロ化学系列#強磁場#弱磁場
遷移金属の「色」の謎を解く
なぜ銅アンモニア錯体は青く、クロムの錯体は緑なのか?
答えは配位子場によるd軌道の分裂にある。
📜ベーテとファン・フレック(1930年代)
ハンス・ベーテが結晶場理論を確立(1929年)。後にジョン・ファン・フレックが共有結合性を取り込んだ配位子場理論に発展。錯体化学の理論的基盤。
結晶場分裂(正八面体場)
5つの縮退したd軌道が配位子の静電場で分裂する。
✓正八面体場でのd軌道分裂
eg(高エネルギー):dx²-y²、dz²
→配位子方向を向くため強い反発
t2g(低エネルギー):dxy、dyz、dxz
→配位子の間を向くため弱い反発
分裂エネルギー:(= 10Dq)
スペクトロ化学系列
配位子の種類によって の大きさが変わる:
⚠強磁場・弱磁場配位子
強場配位子(CN⁻, COなど): が大きい → 低スピン錯体
弱場配位子(I⁻, Br⁻など): が小さい → 高スピン錯体
d⁴〜d⁷では強場・弱場で電子配置(磁性)が変わる。
結晶場安定化エネルギー(CFSE)
d電子が分裂した軌道に入ることで安定化する:
📝d⁶低スピン錯体のCFSE
:
最大CFSEを持つ → 特に安定([Fe(CN)₆]⁴⁻)
錯体の色:電子遷移
に相当するエネルギーの光を吸収してt2g → eg遷移が起こる。
吸収色の補色が見える色。 の大きさ(配位子・金属の種類)で色が変わる。
🌍ヘモグロビンと酸素輸送
血液の赤色はヘムの鉄(Fe²⁺)のd-d遷移による。O₂結合でΔoが変化し、静脈血(暗赤)と動脈血(鮮赤)の色の違いが生まれる。
// quiz
確認問題
Q1.正八面体錯体でd軌道が分裂する2つの対称種はどれか?
Q2.スペクトロ化学系列で配位子場分裂Δoが大きい(強場)配位子はどれか?
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