大学Chapter 40約14分
統計熱力学
ミクロな分子の振る舞いからマクロな熱力学量を導く。分配関数がすべての架け橋。化学熱力学を分子レベルで理解する。
#統計熱力学#分配関数#ボルツマン分布#エントロピー#自由エネルギー#アンサンブル
マクロとミクロをつなぐ
熱力学は圧力・温度・エントロピーを扱う。しかしこれらは分子スケールでは何を意味するのか?
統計熱力学は分子の運動から熱力学を導く橋渡しだ。
📜ボルツマンとギブズ(19世紀末)
ルートヴィヒ・ボルツマンが気体分子運動論を確立。ジョサイア・ウィラード・ギブズがアンサンブル理論を体系化(1902年)。量子力学の登場で量子統計力学(フェルミ・ディラック統計・ボーズ・アインシュタイン統計)に発展。
分配関数 q(分子の)
∑分子分配関数
:エネルギー準位、:縮退度
q は「熱的に到達可能な状態の有効数」を表す。
分配関数への寄与の分離
分子の全分配関数は各自由度の積に分離できる:
✓分配関数の分離
- 並進
- 回転 (線形2原子分子)
- 振動 (調和振動子)
正準集合と系の分配関数
N分子系全体の分配関数(区別できない場合):
熱力学量の導出
✓分配関数からすべてが導ける
📝理想気体の状態方程式の導出
並進分配関数から を計算し を求めると:
統計力学から理想気体の状態方程式が自然に出てくる。
🌍スペクトルと熱容量の予測
NMRの化学シフト・赤外吸収強度・熱容量の温度依存性はすべて分配関数から計算できる。量子化学計算ソフトウェア(Gaussian、ORCA)は統計熱力学を使って自由エネルギーを計算する。
// quiz
確認問題
Q1.正準集合(カノニカルアンサンブル)の条件はどれか?
Q2.分子の並進の分配関数 qtrans が増加するのはどんな場合か?
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