大学Chapter 34約13分
遷移状態理論(アイリング方程式)
反応速度を熱力学的に記述する。活性化エントロピーと活性化エンタルピーから速度定数を導くアイリングの理論。
#遷移状態理論#アイリング方程式#活性化エネルギー#活性複合体#ポテンシャルエネルギー面
「なぜ温度が上がると反応が速くなるのか」の理論
アレニウス式 は実験式だった。
アイリングは1935年、熱力学と量子力学を組み合わせて理論的な速度定数の式を導いた。
📜アイリング(1935年)
ヘンリー・アイリングがポテンシャルエネルギー面の概念を使い、遷移状態理論(絶対反応速度論)を確立。現代の化学反応速度論の基礎。
ポテンシャルエネルギー面
反応は「ポテンシャルエネルギー面」上を進む。
反応座標に沿って:
反応物 → 遷移状態(活性複合体)‡ → 生成物
遷移状態は極小でなく鞍点(反応座標方向に極大、垂直方向に極小)。
アイリング方程式
∑アイリング方程式
- :ボルツマン定数
- :プランク定数
- :活性化ギブズエネルギー
- :活性化エンタルピー
- :活性化エントロピー
活性化エントロピーの意味
✓ΔS‡の解釈
:遷移状態形成で秩序化が必要(分子間反応など)
:遷移状態形成で自由度が増す(解離反応など)
:分子内反応
📝SN2反応 vs SN1反応
SN2(二分子):ΔS‡ < 0(2つの分子が1つの遷移状態に)
SN1(一分子):ΔS‡ > 0(C-X結合が切れて自由度増加)
ハモンドの仮説
✓ハモンドの仮説
発熱反応:遷移状態は反応物に似る(早い遷移状態)
吸熱反応:遷移状態は生成物に似る(遅い遷移状態)
これにより生成物の安定性から速度を予測できる。
🌍触媒設計への応用
酵素・不均一触媒の設計では遷移状態を安定化させる(ΔG‡を下げる)構造を探す。計算化学でポテンシャルエネルギー面を求めて最適化する。
// quiz
確認問題
Q1.アイリング方程式 k = (kBT/h)exp(-ΔG‡/RT) の k‡ に相当する項はどれか?
Q2.活性化エントロピー ΔS‡が負の値を持つとき、反応速度にどう影響するか?
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